第241回
対象:東京都立両国高等学校
授業者:丹伊田里香先生
科目:コミュニケーション英語Ⅰ
教材:ELEMENT English Communication I (啓林館)
単元:Lesson 6 Maria and the Stars of Nazca
単元の目標:
- 辞書を使わずに本文を読み、トピックセンテンスや筆者の主張となる文を抜き出すことができる
- 必要な情報を本文から抜き出すことができる
- 本文を理解し、自分の言葉でその内容について伝えることができる
- 本文の内容と自分自身を関連づけた質問に対して、理由を明確にして述べることができる
本時の目標:
- 与えられた情報と自分の知識を関連づけて、本文の内容を推測することができる
- 推測した内容と本文の内容を照らし合わせ、本文の概要を理解することができる
- 自分が得た情報を、間違いを恐れずに英語で伝えたり、あいづちをうちながら人の話を聞いたりすることができる(グループ活動への積極的な参加)
東京都外国語教員海外派遣研修の報告
Teaching Reading
→キーワード:
(before reading) activate schema, make predictions
(while reading) use context clues, visualize, re-read, ask questions
(after reading) make text-to-life connections, summarize
- 帯活動 (10分)
1.1. あいさつ
・本時の活動を確認。
1.2. 速読英単語
・ペアになり、片方の生徒が英文を黙読し、もう片方は伏せて読まない。英文を読んだ生徒はその内容を相手に伝える。役割を換えて次の英文。
・ペアを変えて、本文全体を音読する。1文ずつ交互に読み、音読する際は内容を相手に伝えることを意識する。
・本文に出てくる単語練習をする。(英語→日本語、日本語→英語)
Q:速読英単語は一通り終わって今2周目ということだが、1回目はどのような活動をしたのか。
A:リスニングをしてメモをとる、全員で音読する、日本語⇔英語のクイズなど。
Q:読んだものをすぐに人に伝えるという活動は生徒にとって難しいのではないか。
A:難しいと思う。実際にうまく相手に伝えられず恥ずかしい思いをする生徒もいるが、次は恥ずかしい思いをしなくて済むように事前に本文を読んだり、CDを聞いたりするはず。そういう狙いもある。
2.導入 – Warm-up (5分)
2.1. Hook and activate schema
・4人グループを作る。
・グループの1人がプリントを取りに来る。
・ナスカの地上絵のビデオを見て、地上絵をプリント(裏面)に描く
・描いた絵をグループのメンバーと共有し、それが何を指しているのか推測する。
・クラスで確認する。
3.展開 – Before Reading Activity (13分)
3.1. Guess the story
・写真を見て、そこから得られる情報をグループでシェアする。
・クラスでシェアする。
・与えられた英文を読み、空欄に入れる語句を選択肢の中から推測する。
・「推測」を楽しむこと、自分の持っている背景知識を使ってもいいことを伝える。
Q:英文を選ぶ基準。
A:教科書の後ろに載っている理解に関する英文を使っている。
3.2. New words
・本文読解を助ける語彙を導入する。(絵→定義→文字)
・語彙の確認。(文字→絵)
Q:語彙導入に絵を使うことについて。
A:見せる絵が語彙にふさわしいか、ALTに確認してから使っている。
4.展開 – Reading (15分)
4.1. Rapid Reading
・本文を読む。
・制限時間内にできるだけ多くの情報を得ることを目指す。
・興味があるところにアンダーラインを引く。
・アンダーラインを引いたところをグループでシェアする。
4.2. Re-read
・本文を4パートに分け、1人1パートを担当する。
・担当パートに関する情報をできるだけ多く得ることを目指す。
・得られた情報は、ワークシートに書き込む。(キーワード/絵)
・情報をグループでシェアする。
5.展開 – After-reading activity (5分)
5.1. Comprehension check
・本文の内容を踏まえて、与えられた英文の空欄に入れる語句を選択する。
5.2. Text-to-self
・”If you had a chance to study a mystery in the world like Maria, would you try?”の自分の考えをペアに伝える。
6.まとめ (2分)
・本時の目標を簡易的に振り返る。
・宿題を確認する。
・生徒の意欲や積極的な態度をほめる。
丹伊田先生は本校が初任校で、今年で6年目です。今年度の東京都外国語教員海外派遣研修に参加し、さらにパワーアップした授業をなさっています。中学1年から教えてきた生徒も今では高校1年生になりました。本時の授業も、厚い信頼関係、相思相愛の雰囲気で授業が進められていました。日頃、授業準備や生徒対応など、本当に忙しい中授業を公開してくださり、ありがとうございました。
(文責:都立両国高校附属中学校 山中悠香)