第244回 菊地佑典先生の授業(小学校)

第244回英語授業研究会

発表者

昭島市立拝島第一小学校

菊地 佑典 先生

研究主題

外国語教育を通じた、コミュニケーション能力の育成 ~新学習指導要領の実施にむけて~

 

  • 単元名:Lesson 8 What do you want to be? (Hi, friends! 2)

 

  1. Warming up

“I” “you” “Hi.” “Bye.”をジェスチャーとともに練習する。初めはTeacher – Students、慣れてきたら

Student – Studentで。徐々に速くすることで、ゲーム感覚で楽しみながら出来る。

 

◆活動の必要性があったか。→今後コミュニケーションの形に発展していく。

◆教師が「説明しなければ」と思ってしまうから日本語で説明をしがち。

◆教師が英語を使う意義。生徒と英語の距離を縮める。先生が使っている姿を見せる。ジェスチャーや絵などを使えば英語だけでもわからせられる。

◆オールイングリッシュの是非。生徒は「なんとなく」で始められる。ダメなのは教師。「やってみようか」という先生を励まして支援する。”short” “simple” “clear”

◆急にオールイングリッシュでやろう、は無理なので、英語の授業を一般化して出来るだけ敷居を低く、出来るだけ多くの先生が、出来るだけ多く英語を話す場面を増やす。指示だけでも英語で。

◆生徒の発話量が少ない。

◆「聞く(尋ねる)」力か「話す」力か。「聞かれたら答える」というコミュニケーションの力は単語でも、ノンバーバルでもいい。 “What do you want to be?” “Doctor.” でOK。 モデル文の“I want to be a doctor.” でなくてもいい。

 

 

  1. 「今日のめあて」の確認

板書:

“What do you want to be?” “I want to be          .”

友達のなりたいものや夢をたずねよう

 

◆日本語でめあてを書かない方がいい→他の教科でやっている方法と同じにしたい

 

 

 

  1. ピクチャーカードで語句練習

手順:

  • 教師がピクチャーカードを見せ、職業名を言う
  • 職業名が書かれたカードを黒板に貼る
  • ペアで確認。ピクチャーカードとワードカードをマッチングする
  • 教師が“What do you want to be?” と言いながら絵を指差す。
  • 生徒は指された絵を見て“I want to be a doctor.” と言う。
  • 反復練習 “What do you want to be?” “I want to be an artist.” “What do you want to be?” (リピート)”What do you want to be?” “I want to be a doctor/ firefighter / cabin attendant.” (リピート) “I want to be a firefighter.”

 

◆文字と絵をマッチングの前にどのくらいのインプットが事前にあったのか→基本的には絵のみ提示だが、文字を入れることにチャレンジしたかった→中学校ではフラッシュカードでのインプット

◆空白の時間が多く、授業がブツ切れ→カードの裏にマグネットを貼っておく

◆ “doctor” と “baker” のひっかけはいらなかった。両方出しておいてもよかった。

◆ワークシートの活用→全員が参加できる→ワークシートがごちゃごちゃにならない

 

  1. ミッシングゲーム

イラストと字を分けてグルーピングし、それぞれのグループから1枚ずつ引き、絵と字を合わせる。神経衰弱のよう。生徒が使うカードと使わないカードを選別することで、字を読ませる。

手順:

  • “What do you want to be?” とグループの子が聞いたら、
  • “I want to be …” と言いながら絵のカードを1枚引く。
  • “I want to be …” と言いながら字のカードを1枚引く。
  • 合ってたら1ポイント。合ってなかったら元に戻す。

 

◆「活動を通して表現に慣れ親しむ」のであればもっとシンプルに。爆弾カードがあれば面白い。

 

 

  1. 夢BINGOをそろえよう

 

自分の夢をビンゴシートの真ん中に、その周りに友達の夢を書く。

 

◆問題点:友達の夢をどう英語で言ったらいいかわかならい。友達の夢がわからない。→解決策:職業リストを作り、そこから選ばせる。

◆前の活動から、ゲームが続いた。コミュニケーション活動をさせたいのならば、インタビューでよかったかも。

◆児童が困っていても、すぐに答えを教えるのではなく、「待つ」姿勢も大切。

◆楽しそうにやっていた。

◆自分の夢は英語で言いたいかもしれないが、友達の夢はどうか。

◆BINGOの弊害。BINGOをそろえることに一所懸命になってしまって、友達の答えに対して「なんだよー」などのマイナス発言が起こる可能性がある。

 

 

  1. 全体の感想、意見

◆発話量が少ない。

◆ターゲットセンテンスのみの繰り返しに終始。数週間後はどうか。

◆識字が困難な児童をどのように発見するか、どう対応するか。

◆テクニック、技術、情報の共有が必要。

◆リアクションは、何に対してのリアクションか。ゲームの結果に対して?質問に対する回答に対して?事前にリアクションの仕方を教える。

◆褒め言葉が少ない。英語で褒めるから始めよう。

◆「文字に親しむ」は書けることではない。読んで理解出来ればいい。文字とピクチャーは一緒に。

◆何を持って「英語が出来る」のか、をはき違えないこと。英検や入試じゃない。英語の学習のその先に何があるのか。どんな児童、生徒にしたいのか。リアルなシチュエーションで使えることを実感させられるとよい。教師が英語を使って何かをしているところ、学び続けているところを見せることが大切。

Good learner/ Good userであれ。

◆ゴールの共有。「夢」は「職業」?「言いたくない」のだってコミュニケーション。

◆教科化に伴い、評価の必要性。ゴールと評価がずれると、生徒は「評価」されることしかしない。

 

初めて、小学校英語の授業発表となりました。英語を教えることに対して消極的な先生方もいらっしゃる中で、菊地先生は、出来るだけ多くの先生に、出来るだけ多くの英語を使った授業を提案することを意識した授業作りをされています。豊富な知識とチャレンジ精神にあふれた授業をありがとうございました。

(文責 丹伊田里香)

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