第234回 町田恵理子先生の授業(中学)

日時:平成27年11月21日(土) 町田先生の勤務校である大田区立大森第六中学校がユネスコスクールに加盟して5年目。Education for Sustainable Development (ESD)を発信し、深めるための研究を学校全体で進めています。環境・防災・国際理解等の実践活動に加え、「思考力」「コミュニケーション能力」「ESDで育てる態度」の分科会があり、町田先生はコミュニケーション部門の担当だそうです。本日の授業も、普段の授業の取り組みというよりは、ESD独自の視点を組み込んだ構成になっています。
<本日の授業>
対象:大田区大森第六中学校 3年生
授業者:町田恵理子先生
教材:Total English Ⅲ  単元:Lesson 5
単元の目標:
・教科書の本文を聞いたり読んだりして、内容を理解することが出来る。
・関係代名詞(主格)を用いて表現したり、相手に尋ねたり、適切に応答することができる。
・関係代名詞(主格)を用いた文を用いた文を正しく聞き取る/読み取ることができる。 ・関係代名詞(主格)の文構造を理解する。
・スティービー・ワンダーの半生を読み取り、彼の主張を理解する。

  1. 導入 (5分)

あいさつをする。日付、天気の確認をする。

  1. 展開
  • ワシントン大行進とキング牧師のスピーチの写真を見せて、本時の目標を確認する。(5分)

写真など、実物教材の活用が効果的でした。学習意欲が高い生徒が多いクラスということなので、Oral Introduction中に、他の教科で習ったものを生徒に聞くなど、生徒が発話する機会をもっと増やすとさらに良くなるのでないか、という意見が出ました。

  • スピーチを3つのパートに分けたワークシートを4人グループ(エキスパートグループ)に1枚配布。スピーチを読み、他者に説明できるよう絵を描く。(10分)

生徒は辞書を引きながらスピーチの内容を捉え、スピーチの内容を表す絵を描きます。グループ内で相談する様子も見られました。

  • 違う部分を読んでいるメンバー同士で新たにグループを編成する。それぞれの担当部分を絵やキーワードをもとに他のメンバーへ伝える。(10分)

課題が難しかったせいか、日本語を使っている生徒が多かったように見受けられます。

  • エキスパートグループに戻り、情報を共有する。スピーチ全体の流れをとらえることができたいか、確認する問題を協力して解く。(13分)

■山本先生からアクティブ・ラーニングについての講義 アクティブ・ラーニングは手段であり、目的ではない。 “Jigsaw”の活動の解説 クリアな目標→その目標を達成するための活動→outputとつなげる必要がある。 最終的なアウトプットで目標を達成しつつ生徒の日常につながるものになるといい。 実践例(中1)

  1. 教室の四隅に書いてある「町にある英語」(UNIQLO LAWSONなど)をメモする
  2. 班に戻り、メンバーに単語とつづりを伝える (アルファベットを正しく発音できることが必要)
  3. 集まった「町にある英語」をアルファベット順に並べる (アルファベットの順番を知っていることが必要)ここでなぜ、アルファベットの発音を覚えるのか、順番を覚えるのかを日常生活につなげて理解する。

■杉本先生から題材の扱い方について講義 テーマが大きいときは、いかに自分のことに落とせるかが重要 キング牧師のスピーチなどを聞いて、感動することと内容を理解することは別 町田先生は昨年度の都教員海外派遣研修に参加しています。今日の授業でも、研修で学んだことを実践しようと努力している様子が伝わってきました。本時の目標はキング牧師のスピーチを読み、内容をグループで共有するという難易度の高いものでしたが、難しい課題に対しても生徒がよく動いている印象を受けました。日頃、先生と生徒が良い関係を築いていることの表れだと思います。「この活動の目標は何か」「生徒はこの活動で何を達成すればいいのか」という視点を常に持ち、ゴールを明確にした上で言語活動をすることで、先生の指示が通りやすくなり、生徒もさらに動きやすくなるのではないでしょうか。 日頃の業務に加えて、ユネスコスクールの研究のために他教科の先生との連携や研修会など、多忙なことと思います。海外派遣時のように、自分の授業だけに集中していられる環境がとても恋しく感じられます。授業準備の時間もなかなかとれない中で、こうして授業公開して下さり、本当にありがとうございました。
(文責:都立両国高校附属中学校 山中悠香)

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