第239回 高杉達也先生の授業(高校)

第239回 高杉 達也先生の授業
<本日の授業>
対象:千代田区立九段中等教育学校
授業者:高杉 達也先生
教材:UNICORN English Communication 1
単元:Lesson 8 “Haruki Murakami Abroad by Ted Goossen”

高校1年生(後期課程4年)コミュニケーション英語Ⅰの授業(12月実施)を発表していただきました。本時は9時間の単元において第6時の授業となっています。授業の前半が前時の復習(アウトプット)、そして中盤から後半にかけて新しい英文のインプット・インテイクが行われる、という流れです。

単元の目標:
(1) グループ・ワークにおいて、互いに協力しながら、質問したり意見交換をしている。 (2) 自分が伝えたいことについて、話題を明示した上で、それに関する意見やその理由を書く。
(3) 英語を聞いたり読んだりして、情報や考えなどを理解したり、概要や要点をとらえたりする。
(4) 本文に用いられている語句や文構造、文法事項などについての知識を身に付ける。 (5) 段落におけるトピック・センテンスの働きについての知識を身に付ける。

本時の目標:
(1) 前時(パート3)の内容を復習するとともに、自身の考えや意見を交換する。
(2) パート4本文の内容を理解する。

Procedure 1(復習からcommunicative activityへ)
①新出単語のレビュー:生徒がスライドの単語を読み上げる
②Buzz Reading:四方読み。教師は宿題のチェックなどの机間指導をする。
③ペアでのReview活動:Word Definition Quiz, phrase sharing(教科書の表現を使った自作英作文のシェア), fact-finding questions(生徒自作の教科書内容に関する質問をペアに投げかける)→終わったら着席し、30秒スピーチの準備をする
④30秒スピーチ:聞き手はメモを取り、スピーチ後にサマリーと質問をする。1分間のフリーディスカッション(→ディベートに必要なスキルの養成。例えば、cross-examinationのように相手の発言を確認したりする)

Procedure 2(新しいパートの導入)
①目標の提示
②リスニング+2つの質問
③リーディング+3つの質問(答えにアンダーライン)(一人で読み、答えをペアでシェア)→答えの確認(1人称、3人称などをオーラルで説明)

Procedure 3
①内容理解:文章全体の内容を日本語でグループで確認。辞書使用可。村上春樹の小説の変化について(主役の特徴、書き方のスタイル)(2分)
②Review Sheet配布=Intensive Reading
③New words:発音記号を見せ、発音させる
④Reading Aloud:(1)repeat after T(sense group), (2)translation reading, (3)repeat after T(sentence), (4)overlapping Consolidation

宿題の確認をして挨拶する。

高杉先生の授業では、50分間の中で4技能だけでなく、思考力の育成につながる言語活動がバランスよく取り入れられていました。そして、生徒もその意図を理解し、一所懸命取り組んでおり、普段からのインタラクションの積み重ねが感じられました。高杉先生は、教師道場や今回の研究発表など、常にご自身の授業を見直す機会を持たれていて、現在の授業スタイルも改良を重ねているとのことです。活動同士の有機的な結びつき、そして協同的な学びを通して、生徒が主体的に目標に向かっていけるような授業作りのため、さらに研さんを重ねていく、との高杉先生のコメントが印象的でした。 いち参加者として討議に加わりましたが、どのような生徒を育成していくかという全体的な視点から、本時の目標の立て方、活動の目的の明確化など、生徒の視点に立った配慮まで、多くの気づきを得られました。 充実した資料を準備し授業を公開してくださり、ありがとうございました。 (文責:都立両国高校附属中学校 宮本真吾)

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