第247回 斎藤綾華先生の授業(中学)

第247回英語授業研究会
日時:平成29年9月16日(土)14:00-17:00頃
場所:都立両国高等学校附属中学校 2階講義室②
発表者:斎藤綾華先生(千代田区立神田一橋中学校)
司会:鈴木 悟先生(都立両国高等学校)
学年:中3年
教科書:New Horizon(東京書籍)
単元名「Presentation 1
Introducing Japanese Culture  東京書籍」

247回 英語授業研究会

 

長先生より

ご挨拶とともに、授業研の歴史を話していただきました。

 

授業者自己紹介

教員歴は6年目で、入都して2年目。

カナダの研修で鈴木先生と知り合って、今回の発表することになった。

 

Presentationのようなページ・単元の扱い方

①活動しているか、②問題点・困っていること、③継続的にやっているか、④日本文化紹介発表計画、⑤評価、の5つのポイントについて、グループで話し合いをした。以下、各グループからの報告です。

 

・パワーポイントを使っての発表をしたことがあるが、生徒がパワーポイントづくりに力を入れ過ぎてしまった。

・ルーブリック評価にするにはどうしたら良いか

・日本文化紹介は、Air B&Bというアプリが参考になる

・修学旅行で外国人にインタビューをするという課題を出したが、リサーチを授業の中でやらせるのは難しかった。しかし、宿題にするとやってこない生徒もいる。

・日本文化紹介は、クラスでリサーチ、発表、帰ってきてからライティングを提出、PPで発表

・年間10回くらいプレゼンをやっている

・日本文化紹介は、NHKのトラッド・ジャパンを使って指導している。小さいステップで少しずつ積み上げていくことが大切。

・評価については、ゴールが1つであるのか、たくさんある中の1つなのか(1回の評価ですべて、というのは大変)

 

(授業者より)

・2年生で年4回のプレゼン、絵本の読み聞かせ、劇をした。今回は3年生になってから2回目のプレゼンになる。困っていることは、生徒が過剰な自信をつけてしまうことである。日本文化紹介は、修学旅行とのコラボ企画にしたい。英語科の目標としていることは、協働すること(一緒に学ぶこと)、度胸をつけること、規律である。

 

 

 

 

 

 

 

授業ビデオ視聴 授業のビデオを段階に区切って視聴し、グループで話し合いをした。

 

  • 導入(おにぎりゲーム:おにぎりの具をヒントから推測し、当てるゲーム)

①日本語で説明(例を示して、全体で説明の仕方を考えさせる)

②グループで活動(4人グループで活動:1人が出題者、残りの3人が解答者)

③教師のコメント(日本語で活動についてのフィードバックをする)

 

(参加者から) 自分だったらどういう導入にするか、改善点、質問

・なじみのあるおにぎりの話で、取り組みやすい活動だと思う

・語彙のヒントを示しておいてあげると、表現するハードルが下がるのではないか

・おにぎりの具の説明は難しいので、ヒントを出すのが簡単な他のものの説明にしたら良い

・活動の説明を日本語でする代わりに、TT(?)の先生とSkitのようなものをやったら良いのでは?

・日本文化のクイズを先生が出すのはどうか

・4人グループではなく、ペアでやらせた方が話さなければならなくなるので良い

・生徒にいかに英語を発話させるかを工夫する必要がある(先生が一方的に話していたのではダメ)

・日付を聞いたら、日本文化と絡めてあげれば良かった

 

(授業者より)

・この次にモデルとして見せるプレゼンがおにぎりについてなので、ウォームアップのゲームはおにぎりをテーマにした

・プレゼンになると生徒が緊張しすぎるので、授業のはじめに英語を話しながら気楽に英語を話せる雰囲気を作りたかった

・活動時間が長すぎるとは思ったが、全員に出題者役をさせる必要があるので仕方なかった

・ペアで活動させることで時間短縮にはなるが、グループの方が助け合いにもなるし、ゲームが盛り上がるのでグループで活動させた

 

  • 展開

①日本語での活動の説明

②教師のモデルプレゼン「Onigiri World」(生徒はプレゼンを見た後、良かった点や改善点を発表する)

 

(参加者より)

・生徒の発表のモデルとしては長い

・生徒は自分のプレゼンでまねをするためにメモを取るのに手一杯で、先生のプレゼンの改善点までは考えられないのではないか?

・プレゼンの対象が外国人観光客なのであれば、相手が知りたいと思うような情報を与えてあげると良い(おにぎりなら、歴史よりも食べ方やどこで買えるかなど)

・Visual Aidsを使うのであれば、それで十分生徒は理解できるので日本語で言う必要はない

・日本語を使うときには、考えて考え抜いたものを使う(適切な日本語を使うのは難しい)

 

(授業者より)

・All Englishで授業をする意味は何か、考えてしまう。生徒の理解できていないような顔を見ると、自分が生徒をいじめているみたいな気持ちになる。

・生徒の顔を見て、使用言語を判断するようにしている(英語で進めていて、ダメだと思ったら日本語にする)

※日本語の使用について

難しい内容は、日本語で短時間で伝えると良い。小学校での積み上げがあれば、情意フィルター(授業が英語で進められることに対する抵抗)はないのでは?

 

・生徒の話し合いから出た意見は…

プレゼンスキルについて:質問する、ジェスチャー、発音、大きな声、大切なことを繰り返し言う、歴史の話もしていた、長かった、表情、アイコンタクト

・単語・フレーズは、since, was, Have you, was foundなど、今まで習った単語・文法を使ってほしかった

・先生のモデルを見せて生徒に気づかせたかったことは、聞き手を引き込む話し方、現在完了形が使われていること、アドバイス(批判的な視点)の重要性

・生徒が自分のプレゼンに取り上げたテーマ:浴衣、花火、和菓子、トイレ、缶コーヒー、招き猫

 

全体を通して

・英語の授業として考えると、生徒の英語使用量が少なすぎる(総合の授業だったら良いのでは?)

・誰に向けてのプレゼンなのかを生徒に意識させることが大切である

・特別な配慮が必要な生徒への支援として、教師が日本語でたくさん話さなくても済むような教材を工夫することが必要である

・全員にすべてをわからせる必要はない。全員がわからなくてもいいということと、必ず全員にわかってほしいことを教師が区別し、それを意識して指導することが大切である

・Welcome to Tokyoも日本文化紹介の教材として使えるのではないか

・教科書にとどまらず、インターネットやテレビ番組など、様々なものが教材になる

・生徒のプレゼンのテーマが重ならないように、教師が調整する必要もある

 

長先生より

・教師は「人を見て法を説け」(いろんな生徒がいるのは当たり前)

・他教科との関連が大切である(日本文化は国語や社会の授業で触れているはずなので)

・「生徒にとって難しい単語はない」by若林先生

・廊下の掲示物等で国際理解教育をすることもできる

 

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