第261回 武田千穂先生の授業(高校)

授業者:都立深沢高等学校 武田 千穂先生

司会:鈴木 悟(両国高校教諭)

長先生

・教師は授業で勝負したい

・元々は中学の先生と大学生で始まった研究会が今回で261回を数え、高校の先生の授業を研究する機会も増えてきた。中高連携の上で、よい傾向だと思う

武田先生

・中学校で英語を苦手となってしまった生徒が多い(7割くらい)

・インプットのクオリティを高め、アウトプットの意欲を育む必要性を感じている

・本単元では、制服・私服のディベートをパフォーマンス評価する(今年度、初めて)

<導入:song>~<展開①:クイックQ&A>

・Song:keep holding on by Avril Lavigne

              選定ポイントとしては、先生が聞かせたいもので、文法的な着眼点で耐えられるもの

              休み時間の雰囲気を落ち着かせられる効果がある

              情意面での波及効果を期待している

・クイックQ&A

              2学期から始めたばかり

              帯活動:即興で質問に答える練習→型を押さえ、次第に自由度の高いやりとりの活動へ

[コメント]

<導入>

・曲を全部やるので無く、Aメロの日、Bメロの日などbreakdownしてもよいのでは。

<展開①>

・たくさんの質問に素早くレスポンスするのによい訓練になっている。

 →そこから一歩進めて、やりとりを1分続ける

・クイックQ&Aを終えての自己評価の場面やワークシートでの書き込みスペースがあるとよい。

・答えにプラス2~3文追加する活動に

・型のドリルとしてはよいが、自然なやりとりを目指すのであればむしろ型にはめすぎないことも大事

・JETがいるときには、日本人との対話をデモンストレーションを見せ、会話させてみる活動を入れてみても。(ディベートを行っているので、慣れの面も大きい)

・目標をどこに置くか、教員が把握しておくことが大事。パタンプラクティスをどう生かすか。

・質問からスタートするのはよいが、自然なコミュニケーションでは、なぜ質問するかというと、「自分がその質問について話したい」という前提があることを教員が分かってあげる。

→例えば、質問リストから生徒に選ばせる(自由を与えることで、発信力の土台=意欲を作っていく)

・即興力を目指すなら、パタンプラクティスとは直接結びつかない。突然の受け答えの場面を作る。

・パタンプラクティス(ワークシート上の例の音読)をどのように脱却していくか、その指導計画を教員が持っておくことが必要。

<展開②前半:教科書新パート導入>

・予習をさせてこない

  1. Pre listening(fact finding)
    1. 100語くらいの英文だが、生徒にとっては圧倒的な分量に感じるため、聞きながら何かタスクを与える
  2. New words

[コメント]

・リスニングしながらタスクを与える代わりに、本文を読む目的を与える(リーディングポイント)

・リスニングの目的が見えなかった。リスニング→単語→リーディングという定番の流れを追うことが大事なのでは無く、各活動の目的を明示することが大事

・教科書と生徒の英語力のレベルに乖離がある。発信語彙と受信語彙を教員が選別し、発信語彙の音読練習に集中する

・高校の教科書は、機械的にnew wordsを出しているだけなので、生徒にとって重要な語彙・表現がnew wordsに含まれない場合が多い。

・フラッシュカードに情報が多い。文字の音声化なのか、意味なのか、品詞なのか、全部入ると情報過多。

・パート1の復習が無かったが、パート2の導入としてふくめるとよいのではないか。

<展開②後半:内容理解>

  • Reading race
    • ただTFやQ&Aを考えさせると分からない生徒が諦めてしまう傾向があったが、1人1回問題を取りに行くことで積極的に問題を解こうとする姿勢が前より見られてきた。
  • 内容理解
    • 1文ずつの解説→内容理解から音読やアウトプット活動への流れをどうするか課題意識を持っている。

[コメント]

・内容理解と音読が同時進行していたが、分けて行った方がよかったのでは無いか。

・Reading raceでの質問が回収されていたが、生徒の手元に残るとよい。

・4人グループでできる生徒がどんどん解いていってしまうのでなく、生徒間での教えあいを促す机間指導が必要。

・活動に飽きてきた生徒にとって、reading raceのような体を動かす活動は効果的だと感じた。

[終わりに]

生徒が武田先生の指示にテキパキと反応しており、英語に苦手意識ある生徒も積極的に授業に参加している姿が見られました。先生が日頃から生徒の学習意欲を高める声かけや教材の工夫があるからこそだと思います。ひとつひとつの活動の目的が、大きな流れとなって単元の指導目標につながっていくように言語活動を設定・配置していくことで、生徒たちはさらに主体的に、対話的に深く学んでいくと感じました。

文責:宮本 真吾(両国高校)

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