第226回 山中悠香先生の授業(中3)

第226回山中悠香先生の授業
<本日の授業について>
対象:東京都立両国高等学校附属中学校第3学年
授業者:山中悠香先生
教材:New Crown 3 単元:Lesson7 We Can Change Our World
単元の目標: ① William Kamkwambaの生き方について読み取り、創意工夫や社会貢献について関心を高める ② 新出語彙や文法(want + A +to ~, 間接疑問)を理解し、様々な言語活動の中で使うことが出来る ③ 積極的にコミュニケーションを図る

<本時の展開>

  1. Small Talk (6 min)

与えられたトピックについてペアで話す。今回のトピックは「英語授業はネイティブスピーカーによって行われるべきだ」。この活動は、3学期に行われるディベートの準備、練習でもある。この論題について、ペアで肯定側と否定側に分かれ、理由とともに自分の意見を述べ合う。論題は週ごとに変わり、1つの論題に付き3回ペアを変えて話し合う。週の終わりには、これまでの話し合いをふまえながら、自分の意見を書いてまとめるという活動がある。

  1. Bingo (7 min)

Word Flashを使って単語の発音を確認してからゲームを始める。読み上げられた単語に印をつけ、5本そろったら”Bingo!”という。1時間の授業で2回ゲームを行う。その後Map Talkをペアで行う。   ここまでがウォームアップの活動です。Small Talkでは、生徒に気楽に自由に英語を話させ、Bingoで徐々にコントロールしていく、という狙いがあるため、この順番で行っているそうです。

  1. Word Quiz (5 min)

Oxford Basic American Dictionaryを用いた語彙のクイズで、3年の4月から行っている活動である。ペアの一方がOBADに載っている語の説明文を読みあげ、もう一方が元の単語を推測する。語のdefinitionには関係代名詞や現在分詞、過去分詞などが多く使われているので、それに慣れておくことで、教科書で出てきたときにスムーズにその項目を理解することができる。 ここまでが帯活動として毎時行われています。合計で20分弱あるが、楽しみながら言語の使用感覚が存分に味わえる活動ばかりです。これらが土台となって、Speaking やWritingなどで、英語で自分の考えを発信することにつながります。

    1. New Materials (9 min)

このパートの題材となっている「自分が将来つきたい職業」と「親が子どもになってもらいたい職業」についてのランキングを見せ、そこにギャップがあることを示す。まず、山中先生自身が高校生だったころのことを話し、その後、生徒同士で話し合わせた。次に、山中先生が友達からアドバイスをもらった話をし、その後、生徒同士で互いにアドバイスをしあった。   生徒に興味をもってもらうためには、①生徒にとって身近なもの②先生のプライバシーを使うとよいと言われています。今回は、そのどちらの要素も入っており、見事な導入となっていました。

  1. Reading Aloud (5 min)

CDリスニングのあと、New Wordsの確認、(開本)、Chorus Reading、Buzz Readingと続く。   開本のタイミングが早い、リスニングの後にT-SやS-SでQ&Aを行う活動を入れることで、開本したときに内容がほぼわかっている状態できるというアドバイスが出ました。また、新出語句や本文を読む練習のときに、発音やイントネーションなどについてもっと「教え込む」ことも必要だという意見も出ました。Buss Readingのあとに、個人を指名して読ませることで、きちんと読めるようになっているか評価できるので、ぜひ音読活動に加えてもらいたいです。
 

  1. Check of Understanding (8 min)

T-SでのQ&Aのあと、本文に出てくる2人の中学生へのアドバイスを考え、発表した。   友だちの悩みにアドバイスをするというのは日常起こりうることです。最後にこのタスクを持ってくることで、本文の内容をしっかり理解し、自分の考えを持ち、それを相手に伝えられるようになったかどうかがわかります。

  1. Closing

 
全体を通して英語で授業が進められており、生徒もそれにしっかりついてきている印象を受けました。英語の使用感を感じられる活動が多く取り入られており、英語を学ぶ意義や楽しさを見出せる授業だと思います。導入、展開、まとめの流れもよく工夫されており、展開もスムーズでした。50分間、生徒の意識が途切れることなく、意欲的に活動させるようなよい授業を見させていただき、ありがとうございました。

(文責 都立両国高等学校附属中学校 丹伊田里香)

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