第232回 前田秋輔先生の授業(中学)

日時:平成27年9月26日(土) 午後2時~

<特別ゲスト>
Emily Wong先生 カリフォルニア大学アーバイン校教員

東京都英語科教員海外派遣で教わった先生です。Emily先生自身が日本でJETの経験があり、日本の英語教育についても深く理解していらっしゃいます。本日は、海外派遣参加教員の指導案ウェブサイト(akakiiroao.com)を提示して下さいました。

Roger Dupuy先生 カリフォルニア大学アーバイン校教員

東京都英語科教員海外派遣で教わった先生です。海外派遣研修の立ち上げ当初からプログラム全体を取りまとめて下さいました。また、Emily先生と一緒に指導案ウェブサイトを開設して下さり、研修が終わったあとも東京の英語教育のために尽くして下さっています。

「あったらいいもの」を教えてほしいというRoger先生からの問いかけに、会場からは「実際の授業のビデオ」「新しい文法を導入するアクティビティ」「授業で実際に使ったパワーポイント例」という意見が出ました。

<本日の授業>

対象:品川区立荏原第六中学校 3年生
授業者:前田秋輔先生
教材:New Crown Ⅲ
単元:Lesson 3
単元の目標:

  • make + A + BやIt is ~ (for A) to …を理解し、使う。
  • 世界の人々に向け、大切なことについてスピーチをする。
  • オーセンティックな教材で、内発的動機付けをはかる。
  • 高校入試を視野に入れた活動を行い、英語力の向上をはかる。
  1. 導入1:Greeting (1分)

あいさつをする。

  1. 導入2:Vocabulary Building (4分)

キクタンの単語を、生徒→教師の順のリピートで発音練習する。

ペアになり、日本語から英単語を当てるクイズを30秒間行い、その後交替して30秒間行う。

教師が日本語を言い、生徒が英単語を答える活動をクラス全体で行う。

  1. 導入3:Small Talk (4分)

ペアで、① What did you do last Sunday? / ② When do you feel happy? / ③ What movie do you like? Why?の質問をする。立った状態で行い、終わったら座る。

使う質問の選び方 (②は本単元の文法事項make + A + Bにつなげるという意図、③はこの活動のあと題材に映画を使うためという理由がある)、会話の工夫のしかた、Small Talkのあり方について意見が出ました。

  1. 展開1:Introduction of the Topic (3分)

映画「スパイダーマン3」についてPPTを用いて紹介し、ワークシートを配る。

  1. 展開2:Cloze Dictation (4分)

「スパイダーマン3」の一場面を見て、セリフの一部をディクテーションする。

  1. 展開3:Sort for Differences (4分)

“make”の用法(「作る」「~にする」)が違う8文を2グループに分ける。

分類させたあとに答えをグループで共有する時間があった方がいいという意見や、文脈の中で文法を学ぶことと文脈から切り離して文法を学ぶことの違いについての意見が出ました。

  1. 展開4:Analyze the Pattern & Explanation (6分)

“make”の2つの用法の違いについて考え、その後解説する。

  1. 展開5:Talking Chips (10分)

・3~4人のグループを作り、順番にワークシートの問題に答える。
・1つ答えるごとにパズルを1ピースもらえる。
・全員が問題に答え、最初にパズルを完成させたグループが勝ち。
・終わった生徒はライティングノートに問題文を書く練習をする。

日→英、英→日のドリル練習を行うタイミングや活動の長さについて意見が出ました。

  1. 展開6:Speaking Activity (5分)

PPTで絵を提示して、What makes you happy? ~ makes me happy.のスクリプトを口頭練習する。

ペアで会話し、ワークシートにメモする。

ペアを変え、What makes you sad?で会話をする。

数名が発表する。

話す活動においてどれくらい生徒が自由に話していいのか、この活動の位置や活動の流れなどについて意見が出ました。

  1. 展開7:Writing Activity (5分)

話したことをもとに、3文でスピーチの英文を書く。

数名が発表する。

  1. まとめ1:Consolidation (2分)

make + A + Bの用法を改めて確認する。

  1. まとめ2:Greeting (1分)

あいさつをする。

前田先生は昨年度、都の海外派遣研修に参加しています。今日の授業も、研修で学んだことをたくさん取り入れた授業展開でした。先生が日本語を使わず英語でリードし、生徒も英語を話す機会がたくさんありました。また、動画や絵を提示するなど、ICTも有効に活用されていました。

今後の取り組みとしては、1つ1つの活動の時間をもう少し長くして活動の焦点を明確にしたり、定型文どおりでなくても生徒が自分のことを話せるようにスピーキングの自由度を上げたりするなど、生徒がさらに自信を持って英語を使える場面を増やすと効果的ではないかという意見が出ました。

一緒に海外派遣に参加した仲間がこうして生徒のために日々実践を積んでいる様子に触れ、とても刺激を受けました。区の研究授業や修学旅行などでとても忙しい中、たくさんの準備をして授業公開していただき、本当にありがとうございました。

(文責:都立両国高校附属中学校 山中悠香)

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